海星について About Kaisei

理事長・校長のあいさつ

理事長挨拶

皆さまの選ばれたこの学校はカトリックの学校です。皆さまは何を求めて入学なさったのでしょうか。今の時代、宗教を必要としない傾向が強くなっていますが、それで良いでしょうか。

ドイツの物理学者で、ノーベル賞を受賞しているマックス・プランクは、「科学と宗教は対照的なものではありません。真剣に考える全ての人の心を完成するために、お互いを必要とします。」と言っています。”電流とそのまわりに生じる磁場の関係”を発見したアンペールは、「神の存在の最も説得力のある証拠の一つは、宇宙の驚くべき秩序と調和であります。」と言っています。狂犬病のワクチンを発見したパスツールは、「少しだけの知識は神から離れます。多くの知識は神に戻ってきます。」と言っています。このように科学者たちも神の存在は認めています。

この学校は子どもたちに、キリスト教精神が元となる聖ヨセフ・カラサンスの青少年の教育理念をいかし、本当の教養を身につけ、教育レベルを上げることをめざしています。エスコラピオスの学校で学び、世界の様々な分野で貢献した卒業生がいます。日本でも有名な人々にはゴヤ、メンデル、モーツアルト、シューベルト、ハイドン、ガウディー等、このように自分に与えられた才能を人びとのために活かしているのは、カラサンスの教育の精神が開花されたものではないでしょうか。

初等教育の創始者である聖ヨセフ・カラサンスは、『教育は人間を包括的な開発に導く手段で、個人的かつ社会的、そして精神的、宗教的な開発の役割と重要性を含んでいる』と唱えています。現在学校の教育的使命は、人間の完成を目指して、生徒たちが真実を愛し、神の国を地上に建てる協力者として、信仰を生活で表すことができたら、そのとき学校はカラサンスの教育精神理念を保つことになります。私はこのような信念を持って、生徒一人一人の個性を磨き、成長させることが真の教育と思い、文武両道を向上するように取り組んでまいりたいと思います。

エスコラピオス学園理事長 クジャク・アダム

学校長挨拶

海星中学・高等学校の建学の精神は、「キリスト教的世界観にのっとり、人類普遍の価値を尊重する人格形成、合わせて高尚かつ有能な社会の成員を育成する。」ことです。この建学の精神のもと、本校はカトリックミッションスク-ルとして、キリスト教的世界観に基づいて教育を行っています。そして、「精神的価値が物質的価値より優位に立つ」ことを基本に、万人を敬愛し、奉仕と献身の精神をもつ、社会に貢献する人物の育成が本校の使命であると考えています。

現在、日本社会は少子高齢化による大きな社会構造の変化により、膨張型の経済が終焉を迎えようとしています。同時にその中で、将来への閉塞感が若者に大きな影を落としていると言えます。教育の大切さがますます実感されているのは、このような日本の現状において当然のことと考えられます。そして、その教育の場で、宗教心という言葉が、倫理観、道徳観を育てるための非常に大切なキーワードだと見直されています。このような意味からも海星が持つ使命はさらに大きくなると思います。

海星の様々な行事は「祈り」から始まります。「祈る」とき、それはカトリックだからというだけではなく、人として生きるにあたって、他人を尊重し、お互いの幸せを、社会の平和を思うことを実感します。人々がこのような折りの気持ちを持つとき、競争社会といわれる中で単なる勝ち組、負け組という分類で人は表されるのではないということに気づくと考えています。

本校では一人ひとりが文武両道を実現することを目指しています。本校の文武両道は文と武を別々の人物が行って学校として両立するということではありません。海星の文武両道は、愛にあふれる良きこころを大切にする事を第一にしています。たとえば試合において、勝負は常に勝者と敗者を作ります。しかし、そのいずれもが苦しい努力をして試合に臨んでいるはずなのです。勝者は相手の努力、健闘に思いを馳せ、敗者はともに戦った喜びを感ずることで互いに尊重することができなければなりません。海星で文武両道を目指すみなさんは、良き心が体中に満たされた人物となっていただきたいと思います。その良き心があってこそ、我々が目指す本当の文武両道であると私は確信しています。若者の可能性は無限にあります。そしてその力も無限です。しかし、その力は良き心、良心があってこそ本当に社会のための力となります。

海星での生活は、将来にわたってかけがえのない大切なものを得られる時間です。それは愛にあふれ、良心を持つ人物となり、将来の日本を、また世界を担う人物となるための時間となるでしょう。

エスコラピオス学園海星中学・高等学校学校長 服部 芳尚